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全てのクジラとイルカの未来のために |
監禁への反対論
なぜクジラやイルカを飼育することが残酷なのか
監禁はクジラやイルカの生活の質を著しく落とします。自然界では彼らは水族館では再現できない複雑な社会生活に生きています。
イルカたちはひどい状況で飼育されています。このような優美で広範囲に渡って生活する動物には、飼育するための水槽などないのがふさわしいのです。同様に、いくつかのイルカのいる水族館でプールの後ろに取り付けられた魅力的な背景にだまされてはいけません。これは私たちのためにあるのであって、イルカのためではないのです。
クジラやイルカは、水槽の中では野生のクジラやイルカのように長生きしません。バンドウイルカは野生では50年も生きることができますが、監禁されるとそれが25年から30年まで短くなります。
バンドウイルカはその人懐っこい顔で特に有名ですが、うつ状態やストレス、フラストレーションがその顔の下に隠れてしまいます。クジラやイルカたちが人間や同じ水槽に住む他のイルカ達に攻撃的な態度を見せることが数え切れないほど起こっています。イルカたちの間で起こった場合、逃げる場所がないため、結果的に怪我をしてしまうことが多いです。こんなことは自然界ではほとんど起こりません。
今日の世界の保護理念は自然な生息地を守ることに焦点を当てています。イルカたちを野生から引き離すことはこの理念に反しています。
水槽で産まれたクジラやイルカの子供の生存率は、自然界のものより低いです。マリンパークの、彼らが繁殖プログラムに関わっているという反論は根拠がありません。彼らが繁殖に成功したい第一の原因は、規制により野生のイルカの捕獲が難しくなってきているため、芸をする動物の供給を維持したいからです。
これらの理由はともかく、WDCSはこれらの素晴らしい動物の監禁は不道徳で非倫理的であると考えます。この姿勢は世論を反映するものとなっています。例えば、イギリスで1996年に行われたMORI調査の結果によるとくじ全体の85%の人がイルカやクジラを監禁することは「容認できない」と考えています。挙げられた主な原因は、「不自然だから」や「彼らは海を自由に泳ぐべきだから」というものでした。
監禁されたイルカや供給業者の後を追う
捕らえられたイルカが施設から施設へと送られるのを正確に追跡するのはほとんど不可能です。イルカの中には芸をする生活をする中で何マイルも旅するものもいます。例えば、黒海バンドウイルカの「シェリル」はロシアで捕獲され、1991年にアルゼンチンに送られました。結局南アメリカの旅回りのサーカス団へ行くことになり、最後には1997年にコロンビアで死にました。キューバで捕獲されたイルカたちは、ドイツ、スペイン、イタリア、スイス、そしてヨーロッパ、南アフリカ、アジアに渡る他の多くの国に行くことになりました。
「イルカショー」の拡大
アメリカ、カナダ、中米、南米、アジア、中近東、そしていくつかのヨーロッパの国々ではイルカショーの促進を積極的に続けています。しかし、収入を増やすためにイルカショーが発展するための新しい方法を効果的に探し、他の国々にも追従を呼びかけているのはアメリカです。近頃ではイルカのいる水族館に行くと、ショーを観るためにお金を払い、イルカとのふれあいにお金を払い、餌をやるためにお金を払い、さらにイルカと泳ぐためにお金を払います。これらを全て体験してしまうと、クラブに入ったり、数え切れないお土産やおもちゃを買ったりすることになります。そして気づかないうちにあなたのお金は全てなくなってしまっていることでしょう!これにより大型マリンパークがこれらの動物を監禁し続ける誘因となる、莫大な利益を得るのです。
ふれあいプール
ふれあいプールは普通、旅行者から死んだ小魚の餌を貰うために争いあうイルカのグループを意味します。アメリカにあるシーワールドの全てにこの「アトラクション」があります。興奮した旅行者たちからお金を吸い取るもうひとつの方法である、ふれあいプールの人気には特に多くの問題点があります。WDCSはこれらのプールで餌を与えられすぎて太ったイルカ、魚をもらおうとして人に噛み付くイルカ、イルカを残酷にいじめる旅行者、サングラスやビールなどの不適切な物をプールに投げ込む人々などを目の当たりにしています。
さらに、イルカに与えられる魚は人間が触ったり、床に落としたりすることで汚れているものがあり、また、イルカに与える餌の量を規制するのも容易ではありません。ふれあいのプールの概念は訪れる人々に矛盾するメッセージを投げかけます。というのも動物園では通常、動物に餌をやることは厳禁だからです。人々がイルカに餌をやるのを許可することは、このルールをぼやけさせ、他の動物園で保証されている安全基準を緩めます。これは収入を得ることを露骨に念頭に置き、イルカたちの幸福に何の配慮もない「イルカショー」の一部です。
イルカと泳ぐ
多くの人々がイルカと「泳ぐ」ことを望んでいます。これはイルカのいる水族館にさらに収入を増やす術を与えています。既に述べたようにイルカに芸をさせ続けることは残酷で、また来る日も来る日も人間とふれあいを強要するのも残酷なことです。イルカと人間の間で病気の伝染があるかもしれませんし、加えて既に起こったような攻撃的な行動に出るという危険な可能性もあります。
イルカと泳ぐプログラムの発展「ドルフィンセラピー」
触ることや餌をやることから、一緒に泳ぐことまで、イルカとふれあうプログラムは、その規模と人気を増しています。イルカに対する愛情は人々にイルカに近寄りたいと思わせるかも知れません。この願望は、これらの特別な動物と近く接することで、少なくとも、日々のストレスや退屈からの精神的な解放してくれる、また極端なところでは病気や精神的な病の妙薬となると信じられていることが原因かもしれません。人々がこう信じることが商業的関心と新しいセラピストによる、ふれあいプログラムの成長を助けているのです。
WDCSはアメリカ、中南米、その他の地域で数が増えてきている、いわゆるDAT(Dolphin Assisted Therapy:イルカを使ったセラピー)プログラムにますます関心を寄せています。
私たちは現在、妙薬に関する主張を含めたDATに関する議論を分析しています。今までのところ、DATが自閉症やダウン症候群の子供たちやストレスやうつ病に苦しむ大人たちといった患者の長期的な予後診断や、現在の状況を改善するということを裏付ける、説得力のある科学的証拠は見つかっていません。私たちはまた、このセラピーを利用する患者やその代理人主張する「メリット」が、子犬や馬や他の飼いならされた動物たちとの物議をかもしにくいふれあいによる「メリット」と同等のものであるかも調査します。皆様からのご意見やあらゆる動物を使ったセラピーに関するご自身の個人的な体験をお伺いしたいと思います。是非お便り下さい。
WDCSは人間と監禁されたイルカ、また本当に、野生のイルカとのふれあいに関して、根拠のある一連の懸念を持っています。人間と同じくイルカの幸福に関するこの懸念は、イルカを使ったセラピーにも同様に当てはまります。それには、動物たちの幸福、人間に対する攻撃の危険性、人間からイルカ、またその逆の病気の伝染、イルカが人間とふれあうことを強要され、避難する場所や少しの休憩もないかもしれないという事実、そしてあまりに多くのDATと他のふれあいプログラムのためにイルカたちが自然界から捕獲されたり、何千マイルも輸送されて監禁され閉じ込められることに苦しんだりしている事実などがあります。
イルカは大きく強い動物で、広い大洋の状況に完璧に適応しています。狭いスペースに閉じ込められ、人間とのふれあいを強要される状況では、攻撃的な行動が深刻な結果をもたらし得ます。最近WDCSの行った、アメリカのマリンパークでのイルカと客とのふれあいに関する調査では、威嚇や噛み付く、突付くといったイルカによる人間に対する攻撃があったという多数の事例の記録がありました。この調査はまた、訪れる人間とイルカの間の伝染病に関する可能性という深刻な懸念を投げかけました。
捕われたイルカと一般市民とのふれあいに関する規制は十分ではありません。WDCSはその懸念と証拠を、関連政府や、人間とイルカにこのふれあいプログラムによって起こりうる結果を提出しなくてはならない他の団体に知らせています。
科学的研究が監禁を正当とする証拠だという神話の払拭
マリンパークは彼らが海産獣類の研究で重要な役割を果たしていると反論し続けています。これは監禁に対してよく使われる正当化の方法のひとつです。マリンパークは一般市民と科学に対して、有益な知識を提供していると主張しています。しかしWDCSによるイルカのいる水族館での科学調査の再検討は、これらの主張に深刻な疑問を投げかけます。それはこの科学調査が自由に生きるクジラやイルカとほとんど関連がないためです。
監禁研究の疑わしい価値は簡単に証明できます。トレーニング技術に関する多くの書物が発行されていますし、もちろんそれらは保全と全く関係なく、それ自体重要とは考えられないものです。捕われているイルカの病気の研究により、どんな病気があり、どんな寄生虫による苦しみがあるかということがわかっています。しかし、捕われているイルカは人工的な環境の中で生活していて、体内の反応を変える薬品を与えられているため、この知識はそのまま有効に野生のイルカには適応できません。監禁されている状態での病気の研究で得た知識はまた、近年野生のイルカの個体群で発生し、多数のイルカを死なせたウィルスの予防や予知に何の役にも立ちませんでした。
監禁されているいくつかの種の妊娠や性的な成熟に関する基本的な生殖の情報が得られていますが、生殖能力を大目に見積もっている可能性があるため、その情報を直接野生の個体群の保全と管理に当てはめるのは危険です。生殖には餌が著しい影響を与えますし、水族館での不自然な構成の食事は彼らの自然な成長パターンとは異なるかもしれないことを意味するのです。捕われた状態のクジラやイルカの行動に対して行われた研究は、野生のクジラ目動物の保全を促進する可能性はありません。監禁されている動物の生活は人工的だからです。彼らは自由に生きるクジラ目動物の変化に富んだ毎日の動きではなく、毎日同じ基本的な日課に従うのです。
これらの理由により、WDCSは監禁状態での研究は野生のクジラやイルカの保全に関して有効であるとは考えません。
イルカのいる水族館は有効な教育的役割を果たすのか
多くのイルカのいる水族館は、彼らは人々が海の環境をきちんと理解するように教育する上で、重要な役割を果たしていると主張していますし、実際にいくつかの取締機関はこれらの水族館に、その表示が「教育的価値」があると証明することを要求しています。WDCSはマリンパークが海の環境に関する人々の理解を著しく歪めると考えています。教育的なメッセージは、「ジャンプ」や「水しぶき」が主な特徴である、クジラやイルカによるパフォーマンスの二の次になっています。訪れる家族たちは技術的な講義を受けるよりも楽しみたいのです。教育的な側面は魅惑や刺激の中に失われてしまっています。同様にクジラやイルカの生活の複雑な仕組みは、水槽の中ではどうしても再現不可能です。
マリンパークの中には様々な言葉を使って、監禁の裏の真実を歪めるものもあります。例えばクジラやイルカは「生け捕りにされた」のではなく、「入手された」、監禁されている動物は、水槽の中にいるのではなく、「制御された環境」の中で生きているという具合です。これらの術語は単に訪れる客の目を水槽や繰り返される毎日の日課からそらすためのものでしかありません。
今日では、野生のクジラやイルカを観ることは以前よりも簡単です。刺激や興奮の点においてもこれ以上優れた体験はありません。子供がクジラを観に海に出るのを想像してみて下さい。自然界の生息地でクジラやイルカについて学べ、彼らの自然な行動を観ることが出来ます。さらにボートや海、そして海にすむ他の生物についても学ぶことができます。その体験は、人間として、全てをコントロールしたり飼いならしたりできない、すべきではないと教えてくれるでしょう。学ぶべき重要なことは、保全です。
WDSCはクジラとイルカを監禁することについての主な反論を含む2つの詳細な報告書を作成しました(それぞれのサイトを参照下さい)。この産業がクジラとイルカを買い続け、人々の注意を実際の金銭的な動機と福利、つまり教育と保全と科学的研究からそらすために、よく使われる大義名分が3つあります。
これらの報告書は個人やグループにとって、クジラやイルカの監禁に対する運動をするのに価値ある情報源であることが判りました。
イルカのいる水族館からの批判に対するよくある回答とWDCSの反論
「私たちの動物は幸せです」
イルカの笑顔は生まれ持ったものです。彼らは死ぬ時もその笑顔なんです。
「海は汚染されていて危険ですが、ここでは彼らは守られています」
クジラやイルカは大洋に100万年以上も住み続けています。そこが彼らの自然な生息地です。公害や他の環境問題を解決する方法は公害の原因に取り組むことで、種を海から取り除くことではありません。
「なぜ人々は他にもっと危機に瀕した種がいて保護の必要があるのに、クジラの監禁に反対運動を行うのか?」
WDCSはクジラ目動物の研究と様々な絶滅の危機に瀕した種の保全に資金を提供しています。私たちはまた、野性のクジラ目動物と同様に、クジラ目のそれぞれの個体を守っています。監禁反対運動は、我々の活動のほんの1面でしか過ぎません。
「飼育されているクジラやイルカは自然界で生きる術を忘れてしまっている」
イルカたちは問題なくと自然界に返されています。クジラやイルカは賢い動物なので、生きる上で不必要な芸を覚えることができるなら、もう一度野生に返ることも学べます。