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クジラの監禁 -捕われの身のオルカ
捕われの身のオルカ
最低でも134頭のオルカ(シャチ)が1961年以来、自然の海から捕われ監禁されています。そのうち107頭(80%)は既に死にました。(更に1頭のオスが2年3ヶ月の監禁生活の後に逃げ出しました。彼がその後どうなったかはわかっていません。)
死んだ107頭の監禁されてからの寿命の平均は6年以下です(最短1日から最長27.2年)。
捕われたクジラのほとんどは20代前半に達する前に死んでしまいます。しかし自然の海ではメスは80年以上も長く生きることがあります。
2001年4月の時点で、合計49頭のオルカ(野生で捕獲された26頭と水槽で生まれた23頭の子供)が5カ国の11のマリンパークで飼育されています(この49頭という数字はリハビリと将来的に海に返すプログラムのためアイスランドのシーペン(海の檻)に移されたオスのオルカ、「ケイコ」を含みます)。
1968年以来判明した、監禁状態での59件の妊娠のうち、たった23頭(38%)しか生き残っていません。
アメリカのシーワールドは22頭のオルカ(世界中の捕われているオルカの44%)を飼育しています。年間1000万人の人がシーワールドを訪れます。
シーワールドによる見積もりでは、収入のなんと70%がオルカショーに関心を持って訪れた人たちから入ってきています。
1972年以来、日本は合計19頭のオルカをマリンパークの水槽へと送り込んでいます。
オルカとしてよく知られているシャチは、1961年以来監禁されています。明らかに商業的な実験の無力な犠牲者は、数十頭の野生のオルカが家族から引き離され、自然界の秩序とは似ても似つかない、人工的な社会集団の中で生きることを強要されています。彼らの苦悩も知らず、何百万人もの人が度を越した展示ビジネスの誘惑に魅せられて、毎年オルカショーを観に訪れます。光沢のあるカタログが壮観さを告知し、家族全員が楽しむと同時に学べる「地球上で最もびしょ濡れになるショー!」とうたっています。
訪れた人たちは、何トンもの重さのあるオルカが旋回して泳ぎ、飛び跳ね、ヒレをぴしゃりと打ち、一見全く上機嫌に見える、幻想の世界にいざなわれます。細かく振り付けをされ、古臭いロックのBGMにあわせて行われるショーが「自然なふるまい」と紹介されているのです。足を踏み入れると、観客の多くにとって水槽のコンクリート剥き出しの壁は印象に残りません。ショーが終わり、ぞろぞろと観客が出て行く時に、捕われたクジラがプールの中でいつまでも旋回し続けていることや、オスの元気のない垂れ下がった背びれに気付く人はほとんどいません。
しかし、賢いマーケティングと観客をひきつける手腕も、お祭り騒ぎの裏の真実を完璧に隠すことは出来ません。訪れる人々はオルカのパフォーマンスを観て、言葉でその感情を表すのは難しいですが、演じられている従順で遊び好きのオルカは本来の動物の姿とはかけ離れていることに気付き、がっかりしたり、嫌悪を感じたり、幻滅したりするかも知れません。
同じような感情はトラや象のショーを観た後にも起こると報告されています。動物の尊厳が失われていることや、「素晴らしい動物たちの魂を飼いならす」ことで、私たちの威厳がいくらか失われていると気付くからです。
オルカを閉じ込めるという概念に対する、この高まりつつある不快感は、捕われているオルカが体験することの真実を記録する新聞記事や、ビデオの映像を大量に増やすことでしか癒されないのです。オルカを見せ物にするこのビジネスがそれらの報道にかかる煙幕をどれほど必死に拭おうとしても、世界の多くの人々が今や幻想の世界の全てが良い物ではないとますます気付いてきています。近年では、最初は一滴だったこれらの事例が激流となって報告されています。「事故」、病気、妊娠の失敗、そして早すぎる死の増え続けるリストが、オルカを狭い檻に閉じ込めることが妥当か、劇的な再評価を余儀なくさせています。
捕われたオルカ同士の、そして同じく気掛かりな、調教師に対する攻撃は近年増えつつあります。魔法の解けた調教師やオルカの支持者はオルカの精神的、肉体的な健康は捕われの状況で危うくなっていると一様に主張しています。
何年もの間、水族館産業はオルカの飼育を続けることを正当化するため、様々な反論を行ってきました。私たちは、観客を楽しませ学ばせる一方で動物は快適な生活が用意されていると、監禁が観客に動物にも同様に有益であると信じるように導かれていました。しかし、野生のオルカ個体群に対する長期的な調査により、私たちのオルカに関する知識が増えるにつれ、監禁されたオルカの生活と野生のオルカそれの歴然とした格差が現れてきました。
捕われたクジラのひどい実態が明らかになってきました。窮屈な、塩素処理された水槽で、しばしばいらいらした不健康なクジラと一緒に住み、彼らの自然な振る舞いとは似ても似つかないサーカスの芸をさせられているのです。多くの人が今では、このようなお粗末な状況を見ることが健全な教育的メリットをもたらすとは信じていません。
1992年にWDCSは「曲芸をするオルカ」と題した報告書の作成を依頼しました。エリック・ホイトにより研究、執筆され、この報告書は監禁されたオルカのビジネスを取り巻く問題の詳しい概略を紹介しています。この報告書が発行された後の数年で11頭もの大人のオルカが死に、11頭もの4歳以下の子供のオルカが死に、最低でも6頭の死産・流産があり、業界の水族館のクジラは長生きするという論点が嘘であると証明しています。実際、高い評価を受けている科学的研究のほとんどは、今までのところ、監禁とオルカの寿命の劇的な短縮は密接に関係があると提言しています。
しかし、楽観的になれる要因もあります。人々がこの問題へのより高い関心を持ち、以前は当然と思われていた監禁に関する仮定に意義を問うようになってきました。近年入館者数が減少したマリンパークや、オルカの飼育を全く中止したマリンパークもあります。待望の若いオスのオルカ、ケイコのリハビリと解放計画が進み、ケイコはアイスランドのシーペンに移され、まもなく自然界に返される予定です。変化は少しずつですが、変化が起きているということが重要です。監禁のために、私たちはこの弾みを失っては行けません。
WDCSの報告書で「捕われたオルカ―あなたを楽しませるために死んでいく(Captive
Orcas – Dying to Entertain You)」(英語のみ)は、オルカの監禁に関して、最新の総括的な概要がお分かり頂けます(関連リンク先をご覧下さい)。