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捕鯨の背景 

商業捕鯨は、まず大きくて動きの遅い種を標的とし、次々とクジラに大きな打撃を与えています。シロナガスクジラ、ナガスクジラ、セミクジラ、マッコウクジラ、コクジラ、ザトウクジラ、そしてイワシクジラの全ての個体群が過去100年間で大量に殺されました。種によっては、95%以上数の減ったものや絶滅に追い込まれたものもあります。今日では大部分の捕鯨はICRW (International Convention on the Regulation of Whaling:国際捕鯨取締条約)に基づき、IWCInternational Whaling Commission:国際捕鯨委員会)に規制されていますが、非加盟国によって捕鯨が行われています。

 

このセクションでは、商業捕鯨と原住民生存捕鯨、IWCの規制外で行われている捕鯨について、いくつか詳しくご紹介します。

 

 

商業捕鯨

1982IWCはクジラを商業的搾取から守る必要があると認識し、商業捕鯨に対するモラトリアム(禁止)を制定しました。1986年までにほとんどの国はクジラの捕獲を中止しましたが、ノルウェーと日本はモラトリアムに反抗し、自国のクジラ産業存続のために捕鯨を続けています。ノルウェーは1993年、モラトリアムに対して正式に異議を申し立て、その「異議」によればこの捕鯨は全く合法的だと主張し、商業捕鯨を再開しました。ノルウェーの捕鯨船は北太平洋で年間500頭以上のミンククジラ捕殺しています。

 

日本はモラトリアムに異議を申し立てた後、それを撤回しています。しかしICRWに基づけば、加盟国の政府は「科学的調査」のためにクジラを捕殺することに許可を与えることができます。1987年に日本は「調査捕鯨」を開始し、今も毎年500頭以上のクジラが北太平洋と南極(IWC1994年に南洋にサンクチュアリ(禁猟区)を設定したにもかかわらず)のいわゆる「調査」のために捕殺されています。

 

一方では、これらの他にもクジラ目動物のクジラやイルカの捕殺がIWCの規制外で行われています。例えば何百頭ものパイロットクジラ、その他小型クジラやイルカがフェロー諸島(イギリスとアイスランドの間にあるデンマーク領)で無残に殺されています。日本を含むいくつかの国は、小型クジラやイルカの捕獲はIWCの管轄外だと主張しています。日本は何千頭ものイシイルカ、何百頭もの小型のクジラやイルカを毎年食肉や肥料にするため、残忍な方法で殺しています。

 

ノルウェーと日本はまた、魚の資源量を守るためにもクジラを捕ることが必要だと主張しています。捕鯨に関わりのない、また利害関係のない科学者たちはこれを科学的根拠のない議論だと考えています。

 

 

国際取引

 

いくつかの国々を商業捕鯨の再開に駆り立てる大きな要因のひとつは、特に日本で高価な食材として価値の高い鯨肉や鯨製品の有利な取引ができるという可能性です。しかし絶滅の危機に瀕している動物の国際的な取引はCITES(the Convention on International Trade in Endangered Species of Wild Fauna and Flora:通称ワシントン条約)で規制されています。

 

CITES1983年、IWCの商業捕鯨禁止を受けて、鯨肉の国際的な取引を禁止しました。その後何年間も日本とノルウェーの両国は国際取引の再開の許可を強く求めていましたが、これは両国がIWCの商業捕鯨禁止の決定を覆そうとしていたためです。幸いにも現在の所両国は、IWCCIESのどちらでも不可欠な過半数の評を獲得していません。しかしこの状況は近い将来変わる可能性があります。

 

 

原住民による捕鯨 

 

従来鯨肉に頼っている自給自足民族による捕鯨はIWCに認められ、ASW(Aboriginal Subsistence Whaling:原住民生存捕鯨)として知られています。しかしここ数年、捕鯨賛成国は彼らの捕鯨活動を「伝統的な」もしくは「文化的な」と定義し直そうと試みています。これはIWCの商業捕鯨禁止の規制外となり得る、原住民生存捕鯨と商業捕鯨の中間にあたる新しい捕鯨のカテゴリーを作ろうという試みです。

 

生存捕鯨を行う原住民を持つ国々の殆どが既にIWCに加盟している一方で、カナダのような国々はIWCの規制外で生存捕鯨の許可を与えています。カナダはアメリカやロシア連邦と共に、国内の自給自足人々に対して絶滅の危機に瀕したセミクジラを捕る許可を与えています。アメリカは最近、ワシントン州のマカ族に、70年以上も続いた中断の後にコクジラ(ロシアの自給自足民族にも捕獲されている種)の捕獲再開の許可を与えて、物議をかもしています。